先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「振られるかもしれないって心のどこかで思ってるから言えませんか?それとも振られたくないってプライドがあります?あ、何ならあたしから高橋先生に伝えてあげても……」
「ふざけないで」
震えるような声が紡がれて口を閉じる。
須藤先生の顔は、さっきよりの余裕そうな顔なんかすっかり消えて怒りが露になってる。
……あたしが患者じゃなかったら、叩かれてたかもしれないなと心の中で思った。
適当に思いつくまま言ってみたんだけど、案外図星だったのかもしれない。
はぁ…と息を吐きだし、こめかみに手を当てる先生。気持ちを抑え込んだらしいところで、あたしと視線を合わす。
「……お大事に」
「どーも……」
少しの間続いた睨み合いを終わらせたのは須藤先生。
視線をあたしから逸らした須藤先生はカルテを抱えて、もう一度あたしを睨み付けた後出ていった。
気まずい、と言うか微妙な空気だけが部屋に残る。
できればもう二度と会いたくない。
お世話になんかなりたくない。
「……外いこ」
モヤモヤする。
このままここにいたら、発作起こさないか嫌な予感がする。
窓から見た外は今のあたしの心みたいにモヤモヤしてて暑そうだったけれど、外に行きたい。
その前に、喉が渇いたし売店に寄ろう。
何を飲もうかな……もう検査も終わったし少しくらい飲んで良いものも自由だよね。そんなにハメを外すような物飲んだりしないし。
冷たい飲み物が喉を通るのを想像しながら廊下をとぼとぼ歩いていく。
なるべく歩いておかないと体力がすぐに落ちてしまう。
これでバイトに戻ったら疲れるだろうなぁ。