先生との恋☆Second・Story☆完結☆


「……あの」

廊下の左側の部屋を通りすぎながら見ていると、ポンポンと肩を叩かれて耳に澄んだ綺麗な声が飛び込んできた。

「、はい」

咄嗟に足を止めて声のした方へと顔を動かせば、あたしより少し低い所にある顔。


腕に赤ちゃんを抱いた、女の人があたしを見ていた。


……何だろう?


どうしましたか?

無言でそう言うように首を傾げて女の人を見る。


道に迷った?目の前の人は真っ直ぐあたしを見ていて。


綺麗にメイクされた目で見られて、ちょっと恥ずかしい。あたし、病院だし別にいいやってすっぴんなんだけど。



あたしを窺うような表情で、女の人はゆっくりと口を開く。


「あの、岡本さんですか?」


「えっ……、あ、はい。岡本ですけど……」

どうして名前を知ってるんだろ……。


不思議に思うあたしを気にすることなく女の人は満面の笑みを浮かべる。


「良かったぁ…!もしかしてもう退院しちゃったかなって思ってたんです」


「え、」


「検査入院中ですよね?」


「あ、はい……って言っても検査は終わったので明後日退院ですけど……って、あの」



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