先生との恋☆Second・Story☆完結☆
消えない枷
退院したくない。
あれだけこの白の空間から出て行きたいと思っていたのに。
まさか、こんなことを思う日が来るなんて思っても見なかった。
このまま退院しちゃったら…。
家より病院にいる方が圧倒的に多い高橋。
私と一緒にいる時間よりあの子や須藤先生といる時間の方が多くて…。
たったそれだけのことで不安になるなんてどうかしてる。
そしてそんなことを考えただけで……
「はぁっ……、はぁっ…っもう!」
苦しくなるこの体も、どうかしてる。
考えたらこうなるって分かってるのに考えずにはいられない。
考えよう、なんて思わなくても自然に考えてしまう。
ご飯が食べれない。
迷惑かけたくないのに。
鏡を見れば検査入院のはずなのになぜかやつれてる自分。
このままじゃ…
いつ乗り換えられてもおかしくない。
変に意地ばっかり張ってしまって、素直じゃなくて面倒臭いよりも。
あたしなんかよりも、素直で、可愛らしくて、
好きって感情を前面に出すあの子の方が、高橋も言いに決まってる。
私が高橋だったら、ツンケンしてる子よりも素直で愛くるしい子の方がいいに決まってる。
それか…
同じ仕事の苦労を分かち合える大人な先生の方が。