先生との恋☆Second・Story☆完結☆
少しの家出
「―――で。どうしてここに来ちゃったかなぁ?」
クーラーが直接当たるのが嫌で当たらない端っこに体操座りで固まれば、ガンガンに当たる場所に座っている聖君に言われる。
「仕方ないじゃん。他に行くとこ思いつかなかったんだもん」
目の前の――聖くんは困った顔をして頭を抱える。
あの後、これからどうするかを必死に考えたあたしは、聖くんにメールした。
そして、病院の近くのカフェで待つこと数時間。
店員さんにはいつまでいるのだろうか?と言う視線が痛かったけれど気付かないフリをして。
仕事終わりにやってきた聖くんを捕まえてやってきたのは、ここ。
聖くんの自宅。
「まさかこんなに早く来るなんて思ってなかったんですけどー」
「あたしだって来るつもりなかった」
「おい」
「だってっ…まさかこんなに早くこうなるなんて思って…っ」
ダメだ。
聖君に説明しようと思うと思い出して涙が出てくる。
これじゃきっと最後まできちんとしゃべることができない。
うぅっと頭を伏せれば、あーあーと聖君の声が聞こえる。
退院する前、聖君にしたお願い。
もし何かあったら家に匿わせて。