先生との恋☆Second・Story☆完結☆
いざという時の逃げ場として考えていたんだけど…。
自分でもこんなに早く来ることになるとは思ってなかった。
だって、あんな話に、あんなことに急になると予想してなかったんだもん。
「実家には帰ったの?」
「ううん、帰ってない」
膝に顔を埋めたまま答える。
「なんで」
なんで、と言われても。
「だっていきなり帰ったら……どうかしたのかって心配するから」
病院から退院したらまた、高橋の家で過ごすだろうって親は思ってるし。
それがいきなり帰ってきたら高橋と何かあったのか、
検査入院で何かあったんじゃないかって心配される。
……実際、何かあったんだけど。それを親にあれこれ言うのはちょっと……ねぇ。
「お友達、は?」
「椿は仕事で忙しいし、あさみは……行ったらあたしが怒られる、きっと」
泊めて欲しいと連絡を入れれば、優しい椿だもん。
何も聞かずにきっと泊めてくれると思う。
でも仕事で忙しいのに家に泊めてもらうなんて出来ないし、家で仕事をするなら邪魔だろうし……。
逆にあさみはあたしの話を聞いて、その後的確にあたしに喝を入れて慰めてくれるはず。