先生との恋☆Second・Story☆完結☆
第四章―想い―
2つの天秤
―――――あれから。
電話して、あたしの声を一応聞くことができたからか。
聖くんが上手いこと言ってくれたからか。
高橋からの電話もメールもパタリと止んだ。
ここに、高橋がくるんじゃないかってひやひやしてたけれど姿を見せることもなくて。
聖くん、なんて言ったんだろう…?と不思議に思うけど聞けずにいる。
「…気になるなら自分から連絡すればいーじゃん」
「え?」
「ケータイ。秋からの連絡気にしてんでしょ」
箸であたしの横に置いているケータイを指す向かいに座っている聖くん。
いつもなら聖くんが仕事に行く頃寝てて、
聖くんは朝ごはんって言えるか分かんない甘い菓子パンを食べて仕事に向かうんだけど今日は別。
有岡くんの大学に潜入見学させてもらうってことで楽しみからかあまり寝れなくて早く起きてしまった。
仕方なく時間を潰そうと珍しく朝食を作ってみたら、聖くんも食べてくれている。
「あれからもう大分経っただろ?そろそろ連絡してあげたら?」
「絶対しない」
高橋の考えてることが意味分かんない。
他の人を選んでもいい、
なんてこと簡単に言って欲しくなんかなかったのに……。
「いつになったら電話するの?そしていつになったらここを出ていくんですかー?」
こんなことを言ってくるけれど、なんだかんだ言って聖くんはずっとここに置いてくれると言うのは分かってる。
いつまでもここにはいられないし高橋と会わないといけない。
来なければ来ないで気にかけてしまう気持ちもあるけれど…。
「まだ、今は会えない」