先生との恋☆Second・Story☆完結☆
意味を理解するだけで、何かを言う前に聖君が口を開く。
「行くなら行けばいいよ。でも言っとくけど。自分の用事より先に心ちゃんを優先していた秋が倒れたのに、心ちゃんは大学に行ける?」
冷たい視線で、声で問いかけられる。
行けばいいよなんて言っておきながら、肩に置かれた手は強くつかまれてる。
「これでも約束があるから行かないって言う?自分の病気が治れば、他が苦しんでても自分の楽しみを優先させるの?」
「そんなこと、」
待って。まだなんにも。
「病人の気持ち、心ちゃんなら分かると思ったんだけどな」
腕を解放されて、はぁー…と大きく、わざとらしく吐かれたため息。
そのまま靴を履きだす。
別にあたし、何も言ってないんだけど。それに言い方。
一方的ですごくいらいらする。
…けど、今はそんなこと言ってる暇は無い、よね。
倒れたってどういうこと?どうしてなんで?
今から会うの?会ってどうするの?
何を話すの?
…何を言われるの?
倒れたって言うくらいだから話すことなんてできないかもしれないけど…高橋と顔を合わせる。
それすら、今は怖くて。
「っつ…、」
きた…。ぐっと苦しくなる胸。