先生との恋☆Second・Story☆完結☆
そのまま抑えてくずれおちるように膝をつき、
床に着いた片手で上半身を支える。
「はぁっ…はぁっ…、」
いつからこんなに脆くなったんだろう。
自分の体は。せっかく健康にしてもらったはずなのに。こんどは気持ち次第で体が言うことを聞かなくなってる。
手術する前は心が元気で体が弱かったのに。今度は体は元気なはずなのに心がこれだ。
聖くんの手が背中に乗る。
高橋が倒れた、会いに行く。たったそれだけのことでこうして苦しくなるなんて、もう末期なのかもしれない。
「わり…言い方きつかったわ」
ゆっくりと、同じようにしゃがみこんで背中をさすってくれる聖君に、分かってる、大丈夫の意味を込めて何度もうなずく。
苦しくて生理的に出てきた涙が、床へと落ちた。
私の荒い息だけが、室内に響く。
それでも、あたしの強がりは煽るためだとはいえ聖くんにそこまで言われて黙って知らん顔なんてできない。
「っつ…高橋、今どこ。病院?」
聖君の背中に声をかければ、頭が左右に動く。
「今秋んちに送ってったばかり」
家…。
会いたくないと言えば正直会いたくない。
だけど……。
今まで何度も高橋の休みを潰してきたし。
こうしてわたしがどこかへ自由に出かけようとすることができるのも高橋のおかげ。
「……連れてって」
聖君にそこまで言われてのうのうと出かけられない。なぜか怒ってるし。
言えば、振り向いて私を見る。どこか、安堵したような顔で。