先生との恋☆Second・Story☆完結☆
何もしゃべってないのに、なぜか喉はカラカラだ。きゅうっと喉が締まって苦しくなる。
「……だ、いじょうぶ…?」
やっと喋れたのはその一言。
見下ろす高橋は相変わらずふにゃりと笑ったままゆっくり瞬きを繰り返す。
「大丈夫…って言いたいけど、頭がぼーっとするかな」
「………、」
自分の額にあたしに連れていない方の腕を乗せて、高橋は苦しそうに息を吐きだす。
「………」
「……心、」
触れてた腕をゆっくりと掴んで、掛布団の中に入れようとすれば逆に掴みなおされる。
今度は、あたしの手首に温かい熱が伝わる。
「大丈夫だから、そんなに心配そうな顔しないで」
困ったように眉を下げる高橋。そんな顔って…。
困るあたしに、
すうっと高橋は大きく息を吸い込む。
「あのね、心……」
「やだっ、」
ゆっくりと、落ち着いて話すその言葉の先はきっと聞きたくないものなんじゃないか。
本能的にそう思ったと同時に、あたしは高橋の腕を振り払ってドアへと向かっていた。
高橋の腕は簡単にすり抜けられた。