先生との恋☆Second・Story☆完結☆
顔を歪めて見上げれば、
同じように顔を歪めてあたしを見下ろす聖くん。
「秋どうだ?なんか食べれそう?」
「……ごめん、いらない」
あたしを無視して、聖くんは入り口に立ったまま高橋に声をかける。
だるそうに、掠れた声で答える高橋。
「取りあえずコンビニ行ってくるわ。ゼリー持ってきてるから食べれそうだったらこの子に持ってきてもらって」
「……うん」
「っちょっと、」
出ようとドアへ近づくと、無言で肩を押されて拒まれる。
高橋へと向けられていた視線があたしへと落とされる。
「何、病人置いて逃げるつもりか」
「あ、あたしがコンビニ行ってくるっ!」
「結構でーす。あ、コレ。貼ってあげて」
ぐいっと押されて後退すれば、ぽいっと投げつけられたものを思わず胸のあたりでキャッチする。
「……優しくね」
にっこりと。
わざとらしく笑顔を向けられて、パタンと閉まったドア。
受け取ったものを確認すれば、冷えピタだった。
きっとこの家から逃げ出すことはできないだろう。
そんなことをすれば聖くんは今度こそ、あたしを自分の家から追い出すだろう。
逃げ道、完全に塞がれた。
はぁ、と息を吐きだす。