先生との恋☆Second・Story☆完結☆
テレビを消した高橋の前に立てば、ゆっくりと右手を取られ引き寄せられる。
「…びっくりしたよね。大丈夫だった?」
見上げる高橋。
心配そうなその顔に、私はなぜか笑みがこぼれてしまう。
「大丈夫じゃない。びっくりした。いきなり知らない人が入ってくるんだもん」
本当に、もしかしたら殺されるんじゃないかって命の危険を感じた。
取られた手を握り返せば
高橋の顔が申し訳なさそうに歪む。
「ごめんね。心臓に悪いことさせて。ドキッとしたよね…」
そんな顔、させたくないのに。
「びっくりしたけど、大丈夫。ちょっと追いかけ回されたりもしたけれど、手術したおかげでほら、何ともない。…高橋のおかげだね」
手術前の体で同じことになってたら、きっと私の体は持たなかったかもしれない。
なんともなくて平気なのは手術をしたから。だから、高橋がそんな顔をする必要ない。
その意味を込めて左手で高橋のほっぺたに手を添えれば
申し訳なさそうなかおのまま、微笑まれた。
…手術してから、高橋の申し訳なさそうな顔も、困ったように無理やり作った顔も苦手になった。
おかしいよね。
手術する前まではその顔見たさにわざと困らせてやろうって思ってたのに。
今じゃ、その顔を見ると、なぜか私まで苦しくなる。