先生との恋☆Second・Story☆完結☆
久々の場所
「うっわ久しぶり!」
「……はしゃがないの」
久しぶりの病院。
真っ白な空間。
一歩入った瞬間、鼻を掠めるあの独特の消毒液の香り。
ガヤガヤと煩くて、少し前まではすっごく嫌だった場所。病院に入って自分の部屋へと案内されたあたしは久しぶりの場所に何故か嬉しくなった。
「検査入院で個室って……」
呆れたようにぼそぼそと言いながらも荷物を置いてくれる高橋。
「だってこの前みたいじゃなくて満員だって言うんだもん」
この前は4人部屋だけれど2人しか居なくて割と静かだった。だから今回も……って思えばどこも4人になるんだと。
「良いじゃん。個室空いてるって言うんだからさ」
煩いのは絶対イライラしちゃって無理だと思って、今回は個室を用意してもらった。
高橋は不満みたいだけど。
「高橋も個室の方が良かったでしょー?病院の中でもイチャイチャできるよ」
絶対しないけど。心の中で思いながらも、ニヤッと伺いながら高橋を見れば高橋はあたしから目を逸らす。
「……分かってると思いますけど病院では切り替えますから。ここからは患者と医者です」
「知ってる」
真面目に答えようとする高橋に笑いそうになる。
分かってるってそんな事。
分かってて言ってるんだよ。
「それに僕達の事知ってるのは清水先生だけですからね」