先生との恋☆Second・Story☆完結☆
「分かってるって」
「たった1週間の辛抱ですから。抜け出したり、なんて事ないように」
「……それは分かんないけど」
そこは約束できない。
そこだけは、ね。退屈だったら抜け出しちゃうかもしれないし。
せっかくだからって高橋を困らせる気は満々だし。
「別に抜け出しても大丈夫でしょ?もう病気は治ったんだから」
「そう言う問題じゃないですから。動いたら何のために入院しているのか分からなくなります」
医者だなー……。
「で?喋り方もそれ?」
敬語になってる。 ベッドに座りながら前に立つ高橋を見上げる。
「そうです。切り替えますから。…付き合う前に戻った、と思って下さい」
淡々と告げる高橋に、イラつくのと少し、淋しくなった。簡単にこういう関係に戻れるんだよなぁ…って。
「あっそ」
でも、付き合う前に戻った、って事はあたしが抜け出そうがどうしようが良いって事だよね。
それは敢えて言わないけど。
「…何か悪いこと企んでませんか?」