先生との恋☆Second・Story☆完結☆
高橋は困ったように笑った。
「先生、やっぱり手術とかで忙しいの……?」
清水先生を見ると忙しそうだもんなぁ。
“もう歳だから”とか“高橋に任せる”とか聞いてると、切なくなる。
「手術もちょこちょこ執刀してるけど、最近は若い医師の育成の方に力を入れててね」
私の頭を撫でながら言う先生は楽しそう。
「先生の技術を出来るだけ教えたりして……他の病院に行ったり学会に参加したりが多いかな」
「大変になったんだ……」
「大変だけど、沢山の医師を育てれば心ちゃんみたいに元気になってくれる子が増えるだろう?」
それがとても楽しみなんだ、と言う先生に、あたしはこの先生が担当で良かったって思う。
いつも、何かあるたびに思ってるけど。
こんなに偉大な先生だって知らなかった。 病気が分かって入院して、説明から先生が担当になって。
最初は「何このおじちゃん先生」って思ってた。
でも、他の先生を見ていたら、清水先生の担当患者になれて良かったなー、と。
「でもあたしはやっぱり清水先生に手術して欲しいな」
「ちゃんと心ちゃんの手術にも入ったよ。いきなりでびっくりしたけどね」
懐かしそうな口調。
もう手術をして数ヶ月も経つんだもんね。
「あたしもびっくりした」
いきなり苦しくなるんだもん。
その前に起きた発作は何とか堪える事が出来たのに。
あんなに苦しくて、意識も飛ばしちゃって……
もう二度と経験したくない。
「一番驚いたのは高橋先生だよね」
「はい。振り返ったらしゃがみ込んで発作を起こしていて驚きました……」