先生との恋☆Second・Story☆完結☆




券売機の上にあるメニューが書かれた看板を見ながら考える。


お腹は空いたけど、そこまでがっつり食べれはしないし。


……唐揚げ。昼から揚げ物は少し胃がもたれてしまいそうな気がする。


でも大丈夫かな。

食べたい。決まれば券売機に並んでいる列の最後尾に並ぶ。


無事に券を買えて、そのまま流れて流れて、あたしとテーブルを挟んだ向こうにいるおばさんに券を渡せば、読み上げられるメニュー。


流れ作業で手早く作られたそれは、たっぷり野菜も添えられてあっという間にあたしに渡された。


プロの早業。

高校の時の食堂も作るのが早かったと思っていたけど、コレは比べ物にならない。

唐揚げから湯気が出て、美味しそうな匂いがまた胃を刺激する。


水と箸、

それから野菜にドレッシングをかけて、席を求めて歩きだす。

ざわざわ、と賑わう食堂内。


たまに聞こえる放送も、何を言っているのか全く分からない。



一人の席は、案外簡単に見つかると言うことが分かった。



ぽつん、と一番端の方にいかにも余りもののように空いていたそこに、あたしは着席した。

周りが友達と笑って話をしながら食事をしている中、
一人黙々と食べるのは少し寂しいけど。


ずっと食べてみたいと思っていた事が実現して、嬉しい。



「…いただきます」




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