先生との恋☆Second・Story☆完結☆
昨日と同じ服装を見に纏った聖くんが視界に反転して現れた。
ぼんやりとその顔を見つめれば、にっこり笑われた。
そっか。
何も考えてなかったけれど、ここは高橋がいる病棟からは見えにくくなってるけど、聖くんが働いているらしいリハビリ病棟の方からは丸見えの位置だ。
そんなに近くはないのによくあたしだってわかったなー…。
ぼんやりとリハビリ病棟の方を眺める。
「どうしてここに?」
「病院の中、煩いから」
ゆっくりと起き上がりながら答える。
一人っ子だからって事もあるのかもしれないけれど。
家では親は共働きだし、あたし一人だし。
兄弟がいないから会話する人が居なくて、あたしが独り言を言わない限り常に静かな状態だった。
それに慣れてしまっているからか、ガヤガヤたくさんの人が会話をしていると煩く感じてしまう。
特に部屋だと逃げるに逃げれないし。
個室だけど、意外と病院は響くから聞こえてくる。
話してる人たちの声が大きいのもあるかもしれないけれど。
「あー……そうだね」
「せっかく個室にしたのに」
ガヤガヤ騒がしくてうるさい。
それに外の空気も吸いたくて。
来てみたら、やっぱりココが一番。
「今日から検査だったんだよね?はい、お疲れ様」
空いたスペースに座った聖くんは、あたしに持っていたペットボトルを丁寧に蓋まで開けて差し出してくれた。