貴公子と偽りの恋
何となく見つめ合う感じになっていたら、香山君は「あっ」と言って携帯を取り出した。メールが来たみたい。

次に「チッ」と舌打ちして携帯をパチンと畳むと、扉の方へ歩いて行った。

そして香山君が扉を開けると、背の高い男子とショートヘアの女子が屋上に来た。

水嶋君とメグちゃんだ。

「優子先輩!」

メグちゃんは、私を見ると笑顔で駆けて来た。

「すごくイメージ変わりましたね!」

「そう?」

「優子先輩がとても素敵に変身したって遼が言うから、見に来ちゃいました」

「そんなの、大袈裟よ」

「ううん、そんな事ないです。本当に素敵ですよ、優子先輩」

「ありがとう。でも、恥ずかしいわ…」
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