貴公子と偽りの恋
「裕樹先輩、お久しぶりです」

メグちゃんが、私の横にいた香山君に話し掛けて来た。

「おお、久しぶり」

「どうして引退しちゃったんですか?」

「それは…」

私は横にすーっと動き、水嶋君の隣に移動した。

「水嶋君…」

「ん?」

「私って、そんなに変わった?」

私は無理に話題を作って水嶋君に話し掛けた。

それは、香山君がメグちゃんと二人で会話出来るようにと、私なりに気を使ったからだ。

香山君は当然メグちゃんと話をしたいはずだから。

水嶋君には悪いなと思ったけど…
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