貴公子と偽りの恋
「ああ。すっげえ変わった。コンタクトにしたのか?」

「うん。でもまだ慣れなくて、ゴロゴロするし、ちょっと痛い気もするの」

「ふーん、俺もコンタクトだけど、ソフトだからなあ。ちょっと見せてくれ?」

「え?」

屈んだ水嶋君の顔がグーッと私の顔に寄って来た。彼の息が顔に掛かるくらいに、近い。

水嶋君の精悍な顔がどアップになり、不覚にもドキドキしちゃった。

「充血してないから大丈夫なんじゃないか? よく知らないけど」

「眼科の先生も慣れるまで一週間以上かかるって言ってたんだ…」

水嶋君の顔が離れてホッとした。でも私の顔、きっと赤くなってるだろうなあ。

考えてみたら、私は紳一以外の男の子と接近した事ないから、男の子に免疫がないんだと思う。
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