貴公子と偽りの恋
それはそうと、香山君はメグちゃんと会話が弾んでるのかな?

それが気になって香山君の方を見たら、香山君が私を睨んでいた。

まるで怒ってるみたいな、冷たい目で…



その後、屋上から下りてそれぞれの教室に別れるまで、香山君はずっと無言。

私は教室へ向かう香山君の制服を、後ろからちょっと引っ張った。

「ねえ…」

香山君はそれに気付いて振り向いたけど、私を見る目はやはり冷たかった。

やっぱり怒ってるのかな…

「今日、一緒に帰ってくれる?」

めげながらも、精一杯の勇気で言ったのに、香山君は返事もくれずに行ってしまった。
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