貴公子と偽りの恋
優子と校舎に入ったのは、1時間目の授業が始まる時間スレスレだった。

いつもの俺の足なら3分前には着くんだが、優子の足に合わせると遅刻だな。明日からは10分早く家を出よう。

3階に上がり、俺は3組、優子は1組に別れる時、俺はある事を思い付き、

「なあ、昼休み、弁当持って俺の所に来いよ」

と優子に言った。


休み時間。
どこからか戻って来た遼が俺に近付いて来た。

「おい裕樹、噂を聞いたんだけど、おまえ今朝、女の子と登校したんだって?」

「ああ」

やっぱりもう噂になってたか。電車の中でも、校舎に向かって歩いてた時も、みんなジロジロ見てたもんなあ。
< 110 / 169 >

この作品をシェア

pagetop