貴公子と偽りの恋
「裕樹、どうしよう。遅刻しちゃう…」

「かもな。でも、仕方ないだろ? 気にすんなって」

「でも、塾の先生って怖いんじゃない? 初日から怒られるなんて嫌だなあ…」

「車で送ってあげるから、あんたはとにかく着替えなさい。男の子の前でそんな格好して、はしたないわよ」

「え?」

そんな格好? はしたない?

「ぎゃーっ」

私の格好は、ピンクのタンクトップに、ピンクのショートパンツという出で立ちで、限りなく下着姿に近いものだった…

「早く言ってよ!」

と、お母さんに叫びながら、私はダイニングを逃げ出した。
その時、裕樹をチラッと見たら、ニヤニヤ笑っていた。

裕樹の、エッチ!
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