貴公子と偽りの恋
「いやいやいやいや、優子さん。あなたには十分色気がありますよ」

何、それ?

「薄々気付いてはいたけど、色白で、ふんわりして、む、胸なんかも結構大きかったりして…」

「や、やめてください。そんな事言うのは…」

「ああ、ダメ。鼻血が出そう…」


「いい加減にして!」


私は思わず大きな声を出していた。

裕樹はビクッとして、周りの人は何事かと、こっちを見ていた。

「私はしっかり勉強に集中したいんです」

「寝坊したクセに?」

「それは…、昨夜遅くまで勉強してたからで…」

「本当に?」

「本当です」

嘘だけど。

「何が何でも裕樹と同じ大学に行くんだから!」
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