貴公子と偽りの恋
なんだ…。普通の告白じゃねえか。

がり勉女なら、もっと違う言い方をするのかと、期待したのになあ。

それにしてもこいつ、緊張しまくりだな。顔は真っ赤だし、今にも泣き出しそうだ。

俺は、この女を少しいじめてみたくなった。

「ありがとう。それで?」

さあ、どうする? 何と言う?

「あの、出来れば、お友達になってくれませんか?」

友達? こいつ、ガキか?

「はあ? 俺、そういうのは無理だから」

もっと違う事言えよ。

「じゃ、じゃあ、付き合って…」

付き合ってください、か。月並みだな。もう終わりにしよう。
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