貴公子と偽りの恋
「どうすんだ?」

「はい。あの、返事は少し待ってもらってもいいですか?」

「いいよ。でも、あまり長くは待たないぞ」

「い、一週間以内にご返事します」

「ん、分かった。じゃあな」

そう言って香山君は行ってしまった。

私はいったい、どうしたらいいんだろうか…



教室に戻って時計を見ると、午後の授業まであまり時間がなかった。

どうせ今から購買へ行っても、パンは全部売り切れだろうし、お昼ご飯はもういいや。

あ、香山君はお昼ご飯、食べられたのかなあ…
< 54 / 169 >

この作品をシェア

pagetop