貴公子と偽りの恋
「私は3年1組の篠原優子っていうの。か、香山君からあなたの事を聞いて、どんな子かなあ、友達になりたいなあ、なんて思ったりして…」

最後の方は声が小さくなっちゃった。変じゃなかったかなあ。

「えーっ。じゃあ先輩は、裕樹先輩の新しい彼女さんですか?」

「それはまあ、もうすぐそうなる予定なんだけど…」

『彼女さん』という響きに、私の心臓が反応してドキドキしちゃった。

「キャー、すごい! たくさんの人が裕樹先輩に告って断られたそうですよね? なのに先輩は成功したんですね!」

そう言われても、喜べないんだけど…

「私の方こそ、ぜひお願いします。優子先輩って呼んでもいいですか?」

「いいわよ。私は何て…」

「よろしかったらメグって呼んでください」

「じゃあ、メグちゃん、でいいかしら?」

「はい」

と返事をくれたメグちゃんの笑顔が、眩しかった。

何か、変な事になっちゃったかなあ…
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