貴公子と偽りの恋
「メグちゃん、なのか?」

なぜ竹中恵がここにいるんだ?
彼女の家は、方向が逆のはずだよな?

「はい。身代わりですけど」

身代わり…!

よく見れば、竹中恵とは少し感じが違う。

「え? 篠原なのか?」

「はい。これが私の答えです。付き合ってくれますよね?」

「そりゃあまあ、いいけど…」

俺は頭がパニックで、無意識にそう返事をしていた。

すると篠原優子は『嬉しい!』と叫び、俺の腕に抱き着いて来た。

何なんだ、このハイテンションは。これが本当にあの地味で大人しい篠原優子なのか?
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