貴公子と偽りの恋
香山君は少し歩く速度を落としてくれたみたいで、何とか横に並んで歩けるようになった。
「夢って?」
「夢?」
「おまえがさっき、『夢だった』って言ったろ? 何の事だ?」
「ああ、あれね。私、裕樹と一緒に学校へ行ったり、帰ったりするのが長年の夢だったの」
「長年って、大袈裟に言ってないか?」
「大袈裟かな。2年半ぐらいじゃ」
「ちょっと待て。高校入って2年半だぞ、俺達」
「うん、そうだね。入学式で裕樹のこと見て、一目惚れしちゃったんだ…」
「そっか、確かに長年だな。なあ、俺なんかのどこがいいんだよ?」
「え? ん…分かんない」
「夢って?」
「夢?」
「おまえがさっき、『夢だった』って言ったろ? 何の事だ?」
「ああ、あれね。私、裕樹と一緒に学校へ行ったり、帰ったりするのが長年の夢だったの」
「長年って、大袈裟に言ってないか?」
「大袈裟かな。2年半ぐらいじゃ」
「ちょっと待て。高校入って2年半だぞ、俺達」
「うん、そうだね。入学式で裕樹のこと見て、一目惚れしちゃったんだ…」
「そっか、確かに長年だな。なあ、俺なんかのどこがいいんだよ?」
「え? ん…分かんない」