貴公子と偽りの恋
「おまえの弁当、美味そうだな?」
「え? 裕樹のだって…」
香山君のお弁当を覗いたら、ご飯の横に焼いたお肉が無造作に詰まってるだけだった。
「美味しそうとか、見え透いたお世辞は言うなよ」
「えっと、誰がと言うか…」
相手が友達だったら、『誰が作ったの?』って気安く聞くんだけど…
「俺だよ。自分で作った。でも料理は苦手だ」
「あの、お母さんとかは…」
「お袋は料理出来ないんだ」
そうなんだ…。じゃあ今までどうしてたんだろう?
あ、そうか。彼女が作ってたんだ。今は彼女がいないから、自分で作ったんだわ、きっと。
二年半も自分で作ってたら、もっと料理が上手になってるはずだもん。
「明日から、私も作るね。裕樹のお弁当」
「え? 裕樹のだって…」
香山君のお弁当を覗いたら、ご飯の横に焼いたお肉が無造作に詰まってるだけだった。
「美味しそうとか、見え透いたお世辞は言うなよ」
「えっと、誰がと言うか…」
相手が友達だったら、『誰が作ったの?』って気安く聞くんだけど…
「俺だよ。自分で作った。でも料理は苦手だ」
「あの、お母さんとかは…」
「お袋は料理出来ないんだ」
そうなんだ…。じゃあ今までどうしてたんだろう?
あ、そうか。彼女が作ってたんだ。今は彼女がいないから、自分で作ったんだわ、きっと。
二年半も自分で作ってたら、もっと料理が上手になってるはずだもん。
「明日から、私も作るね。裕樹のお弁当」