年上の彼氏
矢崎さんに見つめられて・・・恥ずかしくなって下を向くと、信号が変わってまた車は走り出した。
「柊子ちゃん」
「はい?」
「手、貸して」
「手?」
「そう」
何かくれるのかな?
あ、ラーメン屋さんでもらったガムとか?
そう思って右手の手のひらを上にして、
「はい」
と出すと。
・・・ええっ!!
そっと、優しく大きな左手が私の手の平の上に乗っかる。
あ、あの・・・これって・・・。
ドキドキが加速する。
手・・・繋いでる・・・運転中なのに・・・。
ヤバイ。
顔が見られない。
きっと私は真っ赤になってる。
「柊子ちゃん」
「は、はい」
声が上ずった。
「フッ・・・緊張してる?」
「・・・はい」
「俺も一緒だよ?」
「えっ」
思わず矢崎さんを見ると、目が合って。
照れたように笑ってた。
・・・胸が『キュン』ってした。