年上の彼氏
「お、女?」
「そ、考えてみなよ。あれだけカッコよくてさ、柊子に手を出さないって事は、違うところに はけ口があるのよ」
何それ・・・。
「勝手なことばっかり言わないでよ~」
泣きそうになる私を見ながらニヤニヤする遥。
絶対、わざとだ・・・。
「なんでそんな事言うの?・・・私はいつでも不安なんだから・・・」
そう、いつだって子供扱いで不安だった。
でも、手を繋いだときの矢崎さんの笑顔は、嘘じゃないって信じたい。
それなのに・・・
「友達なのに不安を煽らないでよ!」
そんな私をみて
「プッ・・・」
と、噴き出す遥。
ちょ・・・何笑ってるのよ・・・。
「ほんと、柊子って素直に反応してくれるよね」
「は?」
「ごめん。面白くって」
おもしろ・・・くって・・・?
「この、ドS遥!」
「ププッ、ごめんごめん。あ、ついたよ・・行こう行こう」
笑いながら腕を引っ張る。
「ちょ・・・」
今までの事は無しですか?
からかい過ぎだよ~・・・。
軽く凹んだまま、お店に入った。