年上の彼氏
唇をふさがれた。
え?
一瞬の出来事で。
思考回路・・・停止。
そっと離れた矢崎さんは、優しい顔でちょっと困ってて。
「俺が柊子のこと好きじゃないって?」
「・・・・ん・・・」
だって。
「俺は柊子のこと好きだよ?」
「えっ?」
「えっ?って、なんだよ。好きだから付き合ってるんだろ?」
馬鹿だなって笑って、また抱きしめてくれた。
「不安だった?」
「・・・うん」
矢崎さんの腕の中は温かくて、安心する。
ドキドキは止まらないけど。
「ごめん。でも、ちゃんと俺も好きだから」
言ってくれた言葉が嬉しかった。
「・・・ぐすっ・・・」
「泣き虫」
「うっ・・・いいんだもん。嬉しいからいいんだもん」
「柊子」
名前を呼ばれて、顔を上げると矢崎さんの顔が近づいてくる。
優しい。
とても優しいキスを・・・私の唇に・・・そっと落とした。