年上の彼氏
雷太登場
「・・・クシュッ」
抱き合ってたら、矢崎さんがくしゃみをして・・・少し離れて良く見ると・・・薄着だ。
・・・しかも髪が濡れてる?
「矢崎さん、もしかしてお風呂上りでした?」
「あ?ああ・・・さめぇ」
体がガチガチ震えてる。
「大変。家に戻って・・・・これ・・・」
私は自分の首に巻いているマフラーを、そっと矢崎さんの首に巻く。
「ありがとう・・・行くか」
「うん」
優しい笑顔を見せてくれて、オデコにちゅっとキスをすると、手を繋いで歩き出した。
・・・いや、歩き出そうとしたところで、
「こらこら、道の真ん中で何をしているんだね?」
男の人の声がして。
私も矢崎さんも、その声のするほうに振り返る。
「・・・なんだよ、雷太じゃねーか」
そこには、高校の時より大人っぽくなったライ君がいた。
「こんなところでイチャ付いてんじゃねーよ」
ニヤニヤしながら近づいてくる。
「新しい彼女か?」
ライ君はそう言いながら私を見る。
「こんばんは」
私に挨拶するライ君・・・私のことわかってないでしょ?
「こんばんは・・・ライ君」
「は?・・・ん?・・・」
私の言葉に目を見開く。