年上の彼氏
第3者に言われて、やっぱりそうだよね。
なんて思ってしまう。
誰が見たって、私のほうが矢崎さんに惚れてる・・・そう見えると思う。
「ま、秋仁も・・・なぁ?」
ニヤニヤしながら、ライ君は矢崎さんを見る。
「うっせぇな~」
ジロリとライ君を睨むと、コップに入ってるお茶を飲み干した。
「そろそろ、行くか」
矢崎さんが立ち上がるから、私も慌ててコップのお茶を飲み干した。
玄関に向かい、ブーツを履いて見送りにきてくれたライ君に挨拶する。
「じゃ、柊子またな」
「うん。ライ君も元気でね」
「おう・・・・あのさ・・・」
「ん?」
「いや・・・なんでもねぇ」
ライ君が何を言いたいかわからなかったけど。
「あ・・・お姉ちゃんなら彼氏いないし、電話番号変わってないよ?」
と、思わず言ってしまった。
「え?あ、あ、そう・・・そうか」
動揺したから、私の言った事はライ君が聞きたかったことなんだろう。
それから何か考えてるみたいだったけど、矢崎さんが準備をして玄関までやって来た。
「話は終わった?」
笑顔で聞くから、
「うん」
私も笑顔になる。
「じゃ、雷太留守番よろしく」
「はいはい」
玄関を出るとき、矢崎さんがライ君に耳打ちをすると、ライ君が何故かニヤリと笑った。