年上の彼氏
「でも、ビックリしたよ。突然来るから」
運転しながら矢崎さんが言う。
「あ、うん。ごめんなさい」
「いや、来るのはかまわないんだけど・・・夜はあぶねーから来るとき連絡しろ。迎えにいってやるから」
「え?・・・いいの?」
「いいよ?」
なんで急にそんなに優しくなったの?
「本当なら明日会う予定だったんだけどな」
「へ?」
「あ?柊子がクリスマスに会えるかって聞いたろ?」
「あ!そうだ」
「今日イブだろ?はっきりしないと・・・ね?」
チラッと流し目で見る。
「ご、ごめんなさい。そういえばそうだった」
「どこか抜けてんだよな。柊子って」
「・・・・うっ・・・遥にもよく言われる・・・」
「だろうな」
呆れながらも笑ってくれる矢崎さんに・・・・また惚れる。
街中を少し走ったところで
「ちょっと待ってて」
車を路肩に止めて、矢崎さんが向かったのは酒屋。
あ、ライ君のためのお酒かな?
少しすると店から出てきた矢崎さん。
・・・・カッコいいんですけど・・・・反則。
「おまたせ」
車に乗り込んで、また発進させた。
そして着いたところは・・・・家じゃなくて、小さな公園。
あれ?なんで?
「もうさ・・・柊子のおかげで計画全部くるいまくり」
そういいながら後ろから袋と、さっき買ったお酒の袋をもつ。
「降りてきて」
矢崎さんに言われるまま着いていくと、そこには小さなベンチがあって。
「ここでいいか。・・・柊子そこ座って」
私を促してくれて。
不思議な顔をしながら座ると、袋からケーキとコップとフォークを取り出した。
・・・・いつのまに仕込んだんだろう。