年上の彼氏
「持ってきてくれたケーキ食べようぜ?」
袋から小さなケーキを取り出す。
コップにさっき酒屋さんで買ってきた飲み物を注いだ。
「じゃ、コップ持って」
「あ、うん」
「メリークリスマス!」
なんて言いながら注いだお酒を飲み干す。
「え?いいの?運転は?」
驚いてる私に
「飲んでみればわかる」
「え?」
恐る恐る飲んでみると・・・・
「あ・・・これって・・・」
「俺25にもなってシャンメリー飲むとは思わなかったよ」
呆れながら笑ってた。
私に合わせてシャンメリー買って来てくれたんだ。
「おいしっ」
ごくごく飲んじゃって。
「・・・・絶対酒豪になるな」
なんてからかわれて。
小さなチーズケーキも2人であっと言う間に食べてしまって。
「・・・終わったな」
「・・・終わっちゃいましたね・・・」
もう、することがない。
「行くか」
背伸びをしながら立つ矢崎さんに
「はい」
着いていくしかなくて。
車に乗り込んでからの家までの時間は早くて。
まだ、離れたくない。
でも、ライ君待ってるし。
「あ、ありがとう」
お礼を言ってドアを開けようとしたとき、腕を掴まれて頬にキスをくれた。
あわわ。
突然のことで余裕がなくなる。
「明日、ちゃんとクリスマスやろう。迎えにくるから」
「え!?」
「そのかわり、プレゼントはないよ?」
「い、いらない!一緒に過ごせるだけでいい!!」
「・・・おぅ」
少し照れながら返事をした矢崎さんは、私が家に入るのを見届けてから車を発進させた。