年上の彼氏


結局答えは出せないまま金曜日の夜、矢崎さんに会った。

今回は矢崎さんから連絡してくれて。

本当は嬉しいはずなのに・・・・何だか素直に喜べない。

夜、7時に迎えに来てくれて、ご飯を一緒に食べた後で、お母さんからメールが入った。

そのメールを見た瞬間

「え?」

声を上げてしまった。

「どうした?」

驚いて私に聞く。

「あ、ううん」

私の返事に不思議そうな顔をするけど、それ以上は聞かなかった。

お母さんからのメール。

<夏穂が熱を出して大変みたいだから、これから夏穂のところに行ってきます。帰りは日曜日の夜になるとおもいます。戸締りよろしく。鍵は玄関の鉢植えの下においておきます>

・・・鉢植えの下って・・・。

・・・私鍵持ってるけど・・・慌ててるんだろうな・・・。

って事は、家に帰ると1人か。

なんか・・・怖い。

18にもなって1人で家にいられないっておかしな話だけど・・・。


矢崎さんは、必ずと言っていいほど9時までには家に送ってくれる。

「柊子、何かあった?」

「え?なんで?」

「いつもより、元気がないからさ」

「・・・そんなことないよ?」

「そ?」

首をかしげて少し微笑む矢崎さんは・・・・ヤバイ。

はぁ・・・もう好きすぎるんですけど。

どんなに考えても、気持ちってのはどうにもならないことに気がつくだけで。



毎日考えるんだけど・・・やっぱり最後は『好き』で終わる。



家の前に着くと

「あれ?お母さんいないの?」

矢崎さんが気がついたみたい。

「え?」

「いや、家の電気ついてないから」

「あ、うん・・・お姉ちゃんが熱を出したからって・・・日曜日の夜まで行って来るってメールが・・・」

何か考えてるようだったけど、

「じゃ、ありがと」

お礼を言っておりようとしたところで、

「まって」

腕を掴まれた。










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