年上の彼氏
「柊子、寝るよ?」
「あ・・・うん」
歯磨きを済ませた私に声を掛けてくれる。
リビングに行くとライ君が気持ちよさそうに寝てた。
「はぁ・・・雷太はいい奴なんだけど・・・時々邪魔だな」
寝ているライ君を見ながら呆れたように言った。
「邪魔って・・・友達なのに?」
「友達だけど、邪魔なんだよ・・・」
困ったように言う矢崎さんが可愛くて、笑ってしまった。
居間の電気を小さな明かりに変えると、私の手を引いて寝室に入る。
寝室の電気をつけると、
「柊子奥ね」
ベッドに促される。
「え?」
「ん?こっちだと落ちると悪いだろ?」
・・・・いえ、そういうことじゃなくて。
「い、一緒に寝るの?」
「そうだけど?俺のアパート布団無いし」
ええっ。
一気に顔が熱くなる。
「ま、隣の部屋で雷太がいるから何も出来ないけど」
ちょっと意地悪っぽく笑う矢崎さん。
「いや、あの・・・」
パニクッてる私をお構いなしに、優しく微笑んで
「じゃ、柊子奥行って」
壁側に押された。
電気を消して枕元にあるスタンドの明かりがつく。
ドキドキする。
その場から動けない私は、ベッドの上でなぜか正座をしてた。
スタンドの明かりで見る矢崎さんは、いつもより色っぽく見えた。
矢崎さんは、横になると掛け布団を少し開けて私が入りやすいようにしてくれる。
ちょっと・・・ヤだよ。
緊張するじゃん。
こんなの絶対眠れないよ・・・。