年上の彼氏
泣きそうになってる私を見て、
「卵あるし・・・オムライスでも作るか、昼だから軽いもんでいいだろ?」
「オムライス・・・私作れない」
「・・・俺が作るよ・・・手伝える?」
「タマゴなら割れる」
「フッ・・・上等」
ニヤリと笑って、食材を取り出すと手際よくオムライスとスープとサラダを作っていく。
・・・何でも出来すぎ〜。
悔しい〜。
あっという間に出来上がった矢崎さんが作った昼食は・・・おいしかった。
「タマゴが半熟だね」
「ああ、うまいだろ?」
「うん・・・何でも出来ちゃうんだね」
ちょっと口を尖らせて言ってみた。
「まあな、1人暮らしが長いのと、雷太が意外と料理がうまかったりしてさ。一緒につまみとか作っているうちに覚えたりしたんだよ」
なだめるように優しく笑いながら言ってくれる。
「そっか〜、ライ君がね〜。・・・そう言えばお姉ちゃんと付き合ってたとき、チャーハン作ってもらった思い出があるかも・・・」
「あいつ、料理うまいんだよな。調理師になりたいって言ってた時期もあったくらいだからな」
「そうなんだ〜」
「でも、親父さんがな」
「ライ君のお父さんて偉い人だったんだっけ?」
「おお。エリートだな」
「そっか・・・お姉ちゃんと別れたのも関係あるのかな」
「・・・・さぁな」
そこからは2人で無言でオムライスを食べた。