年上の彼氏
「な、なんで・・・急にそんなこと・・・」
いきなりの矢崎さんの告白に戸惑う。
「・・・初めはさ、柊子はただ大人の男に憧れてるだけで、時間が経てば離れていくんだろうって思ってた」
・・・え?
私の気持ちって真剣に受け止めてもらえてなかった・・・?
「だからわざとこっちから連絡しなかったし、過去のことも女遊びが酷いことも隠さなかったのは、そんな俺に呆れて離れていくだろうって、そう思ってたんだ」
どうして・・・今、そんなこと・・・言うの?
目が熱くなって、涙が溜まっていくのがわかる。
「だから、距離をとってた。・・・まぁ、雷太に邪魔されてたって言うのはあるけどな」
少しだけ、矢崎さんが距離を詰める。
「だけど、クリスマスイブの日、柊子に突き放されて・・・すげぇ焦ってる自分に気がついた。抱きしめてキスしたら・・・気持ちが止まんなくなった」
「矢崎さ・・・・」
ふわりと抱きしめられて。
「今はもう、本当にめちゃくちゃ惚れてんだ」
初めての矢崎さんの告白に・・・嬉しくて、涙が止まらなくなる。
そしてぎゅうって抱きしめた。
「柊子がいろんな事我慢してたのも知ってた。でも、見てみぬ振りをしてた・・・最低だな、俺」
矢崎さん。
「だけど、柊子は離れていかなかった。・・・そんな一途な気持ちにいつの間にか俺のほうがはまってた。・・・今まで我慢させてきた俺が言うのもなんだけど、今、柊子に振られたら立ち直れねーよ」
ぎゅっと矢崎さんの腕に力がこもった。
「・・・離れ・・・ないよ。・・・何度も考えたの、距離を置くことも、別れる事も・・・でも、出来なかった・・・出来なかったよ・・・・」
苦しくて何度も涙を流して。
別れようって思っても、矢崎さんの優しさに触れると別れられなかった。
そっと私を離すと
「ごめんな。・・・大好きだよ」
「私も・・・だ・・・ん・・・」
言い終わる前に唇をふさがれた。