雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~
「遼と、私が? ……あり得ないよ」
想像もできなくて、くすくす笑っていると、両の手首を強く拘束された。
「他の男の名前、呼ばなくていい」
うるさい口を塞ぐかのように、息もできないほどの深いキスをされる。
シャツのボタンをはずされ、胸元に赤い痕をいくつも残していく。
「響……?」
遼に対する嫉妬のせいか、普段よりも性急に求められている気がする。
「あいつが聞いたことのない声、もっと出して」
彼の誘導で、足が自然と開いていく。
甘い声をあげるたび、まるでご褒美をくれるみたいに、私の好きな場所へ一つずつキスを与えてくれた。
*
一体、何時間経ったのだろう。
ぐったりとソファに横たわる彼のそばで、私はシャツだけを羽織って寄り添っていた。
「ね……。そろそろ、合鍵ちょうだい」
彼の耳を飾るプラチナのピアスをいじりながら、私は囁いた。
私の髪を撫でていた手が一瞬止まる。
「……ああ、そのうちな」