雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~

「遼と、私が? ……あり得ないよ」


想像もできなくて、くすくす笑っていると、両の手首を強く拘束された。


「他の男の名前、呼ばなくていい」


うるさい口を塞ぐかのように、息もできないほどの深いキスをされる。

シャツのボタンをはずされ、胸元に赤い痕をいくつも残していく。


「響……?」


遼に対する嫉妬のせいか、普段よりも性急に求められている気がする。


「あいつが聞いたことのない声、もっと出して」


彼の誘導で、足が自然と開いていく。


甘い声をあげるたび、まるでご褒美をくれるみたいに、私の好きな場所へ一つずつキスを与えてくれた。







一体、何時間経ったのだろう。

ぐったりとソファに横たわる彼のそばで、私はシャツだけを羽織って寄り添っていた。


「ね……。そろそろ、合鍵ちょうだい」


彼の耳を飾るプラチナのピアスをいじりながら、私は囁いた。

私の髪を撫でていた手が一瞬止まる。


「……ああ、そのうちな」

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