雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~
*
「もしかして、まだ紗矢花のこと好きなのか?」
今朝の彩乃と同じような台詞を言われ、陽介の前にわざと音を立てて、コーヒーカップをテーブルに置く。
波打ったコーヒーはかろうじて零れずにカップの中で収まった。
もうすぐ紗矢花が家に来る頃。
ホワイトデーのお返しをするために呼んでいるのだけれど、二人きりにはなれないと言われているから、陽介も家に呼んでみた。
キッチンに立ち、今度は紅茶の用意を始める。
「いい加減諦めればー? だいたい、彼氏がいる時点で次行くだろフツー」
陽介は窓際のソファに踏ん反り返り、コーヒーをブラックのまま飲んだ。
「普通はそうかもね。でも……紗矢花を好きだと気づいた時には、まだ彼氏はいなかったから」
ただタイミングが悪かっただけ。
自分と出会ったそのすぐあとに黒瀬響と出会ったらしく、紗矢花から直接、彼と付き合うことになったと聞いたときはさすがにショックだった。
「もしかして、まだ紗矢花のこと好きなのか?」
今朝の彩乃と同じような台詞を言われ、陽介の前にわざと音を立てて、コーヒーカップをテーブルに置く。
波打ったコーヒーはかろうじて零れずにカップの中で収まった。
もうすぐ紗矢花が家に来る頃。
ホワイトデーのお返しをするために呼んでいるのだけれど、二人きりにはなれないと言われているから、陽介も家に呼んでみた。
キッチンに立ち、今度は紅茶の用意を始める。
「いい加減諦めればー? だいたい、彼氏がいる時点で次行くだろフツー」
陽介は窓際のソファに踏ん反り返り、コーヒーをブラックのまま飲んだ。
「普通はそうかもね。でも……紗矢花を好きだと気づいた時には、まだ彼氏はいなかったから」
ただタイミングが悪かっただけ。
自分と出会ったそのすぐあとに黒瀬響と出会ったらしく、紗矢花から直接、彼と付き合うことになったと聞いたときはさすがにショックだった。