☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜
「なあに格好付けてんだよおお」


 所々制服がはち切れてしまった小粒の肩を優しくタオルでくるみ、痩せて格好良くなった太がエスコートしていく。


「ちょっと、アレ誰? 凄い格好イイんだけど」


「知らない、ウチの生徒じゃないんじゃない?」


 遠巻きに彼らを見守っていた女生徒たちが、コソコソと囁き合っている。


「太しい。お前、評判だぞう」


「俺には婚約者のお前しか見えないさ、小粒」


 いつもだったらキツイ攻撃を浴びせる所だが、小粒は聞こえないフリをして受け流した。


「なんだよ小粒。婚約者って言っても怒らないのか?」


「助けて貰ったお礼だよお。だけどお、勘違いするなよなあ」


 そう言ってドスドスと歩く小粒の顔には、久し振りに楽しかったあの頃の笑顔が浮かんでいた。


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