☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜
「それは駄目よ」


 美麗はこともなげに続けた。


「私は今まで、わがまま放題をさせて貰ったわ。もう一生分の無理を通してしまった。


だからこれからは耐える番なの」


「そ、そんなぁ……」


 小粒は「それが小さい頃から決められていた、私の運命だから」と言ってまた溜め息を吐く美麗を横目に考えを巡らせている。


「そうだ!」


小粒はその小さい手をポンと打って頷いた。


「その分人助けをすればいいんじゃない?

そうすれば今までのわがままを帳消しに出来るじゃない!」


「そんなの……園咲の家系には通用しな……」


「自己満足でもいいのよ。決められた未来なんてつまらないじゃない。何かを始めるのが先ず肝心でしょ」


小粒はすっかり女口調に戻り、興奮気味に畳み掛けた。


< 250 / 251 >

この作品をシェア

pagetop