☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜
「喋って……ない?」


『喋ってま・せ・ん』


 静香は椎菜に息が掛かる程近付いて、心で念じた。


「本当だ。先輩の口、動いてませんでした!」


 顔面から血の気が引いた椎菜は、肺一杯に空気を吸い込んだ。そして、


「これって一体どおいうことなのおおおおおっ?」


 パニクった彼女が叫ぶと、静香の長い黒髪がバサバサと強風に煽られたようになびく。


その剰りの大声に、静香は耳を塞いで踞った。


真琴静香の『テレパシー』と、矢鎌椎菜の『ラウドネス』が発現した瞬間だった。


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