☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜
 夜も更けた空には、下界のネオンで薄明かるい中でも必死に輝く星達が瞬いている。


「はい、お嬢様」


「今日は少し調子に乗ってしまったわ。手間を掛けさせたわね」


「いえお嬢様。しかしああいう輩には、以後お気を付け下さい」


 美麗は厳の前に回り込むと、いたずらっぽい上目遣いで彼を見詰める。


「なあに? 毒島。それは私へ対する焼きもちなの?」


 そう聞かれた厳は直立不動の姿勢を取り、首まで真っ赤になって否定した。


「と、とんでもございません。私はお嬢様のためを考えて差し上げたまでのこと……」


「もうっ、ほんと毒島は素直じゃないわねっ。早く車を呼んでっ」


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