☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜
 これは厳の小さい頃から、耳にタコが出来る位に言われ続けてきたことだった。


 主人としての人間的魅力以上の物には、一切心を動かされてはならない。


それが使用人としての定めなのだと、厳にも充分理解出来ているはずだった。


 更にもうひとつ。美形の血族とうたわれた園咲家の中でも稀に見る、美形の中の美形であった美麗と厳が釣り合うはずもない。


 雲と泥よりも尚、その住む世界は趣を異にしていた。


『これは見果てぬ夢などではない。見ることが許されない夢なのだ』


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