三階小児病棟
手術当日…
昨夜は殆ど一睡もできなかった。
まだ時間があったので売店までナースの目を盗んで歩いて行った。
新聞と雑誌を買い、病室に戻ろうとすると、5歳位の見た目はとても元気な男の子が、お母さんの握ってた手を振り切り、売店のお菓子の所に走って行った。
「いや、元気でいいなー。」と声をかけると…
「元気じゃないよ。元気なら入院してない。」と答えた。
確かにあの子の言う通りだ。
後ろから母親がきて私に会釈をしながら売店に入っていった。
病室戻ると調度ナースが入って来た。
私はそそくわぬ顔をして横たわっていた。
同意書にサインをした。
泣いても笑っても1時間後には手術が始まってるのだ…
また、物凄い恐怖心が襲ってきた。
微かに手が震えていた。