Get Lort


根こそぎ引っこ抜いて捨て去ったはずなのに…

やっぱり綺麗に取り切れてなくて、残っていた根が生きよう生きようとぐいぐい成長してくる。


「ま…麻衣行こう。」


今度は私が麻衣の腕を引っ張った。

「まあさ!?」



ドキッ…


ダメ…離して…

「待ってまあさ!!」


そんな声で私を呼ばないで…

翼君は私の腕を強く掴んだ。

切ない声で私を呼ぶ。


ふりほどけない…

私…



ドン!!

「邪魔。」


周りの女の子に突き飛ばされてあっさり私たちは離れた。


「ちょっとあんたねー(怒)」


「大丈夫。麻衣、喧嘩はだめだよ。」


「でも!!」

「ありがとう。」


よかった。

あと一秒でも長く彼に触れられていたら私は…



とにかくよかった。


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