愛ガ降る
あたしは大概くんに釘付けになった。
普段、制服かユニフォーム姿しか見たことのなかったあたしにとって、大概くんの私服姿はまた別人に見えた。
「今日はどうしてもあずと行きたかった場所があるんだ。1日俺に付き合って。」
大概くんの行きたい場所がどこなのか、まるで検討もつかなかったが、2人で居られるならどこでもよかった。
「うん、もちろん。」
大概くんはあたしの言葉に、安心するかのように微笑むと改札へと向かった。
大概くんは歩きながら、前もって買ってあった切符の一枚をあたしに渡すと、改札を先に通り抜けあたしを待っていた。
あたしも後を追うように改札を通った。